「リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください」を読んだ

正直なところ結構むずかしくてほとんど理解できなかった…

リベラリズムの歴史的起源は「啓蒙」と「寛容」。啓蒙主義というのは理性の重視。理性によって蒙を啓(ひら)く。因習や迷信を理性によって打破し、その抑圧から人間を解放する。寛容は宗教や伝統が違くても共存しましょうという考え。どちらもヨーロッパの歴史の文脈。

寛容のポジとネガについて。俺は俺、お前はお前という棲み分けは寛容のネガである。

自分自身が、たしゃからの批判を通じで変容していく。そのかのうせいを引き受ける。お互いがそうした態度を取る。それこそが、寛容のあるべきポジです。

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保守主義との違い、歴史や伝統に無批判な信頼を置くことがどうであるか(カースト制など)。啓蒙のポジの伝統である絶えざる自己吟味の重要性。

自分たちの文化、自分たちの歴史を誇りたい気持ちは自然です。日本文化は素晴らしい、と誇りを持つのはいいけれど、それが他社に対する抑圧効果を何か持つかといえば、それに対する批判には謙虚に耳を傾けていかなければならない。

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愛国心の強制に反対することは、愛国心に反対することではない。批判する人たちはそこを混同している。
そして、リベラルとしては、その区別は譲れない一線です。

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ロールズのトリクル・ダウン効果について

トリクル・ダウン効果が仮にあるとしても、その場合には、最上層から最下層まですべての人々の境遇が引き上げられるから、何も格差原理を持ち出す必要性はないということです。だれの境遇も改悪せずにだれかの境遇を改善できることを社会的改善とみなす、いわゆる「パレート効果」で十分正当化できる。

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第二章は正義の行方について。部分的にはなるほどというのもありつつ全体としてはよく理解できなかった。実定法は脱構築できるが正義は脱構築できない、サンデルのソクラテスメソッド的な講義は良いと思わない。などが印象として残っている。