この新装版が出てから必要に応じて辞書的に使っている一冊。
第二部ではマネージャーのアウトプットについてくわしく述べられている。特に優秀なプレイヤー上がりのマネージャーにとって「マネジメントをして現場の仕事をしない」ことによる気持ちの変化は大きい。プレイヤーのアウトプットとマネージャーのアウトプットは違うということを正しく認識することが大事だと定期的に確認している。
個人的に一番参考になったのが第四部「タスクの習熟度に応じた権限譲渡」「数種類のマネジメント・スタイル」「1on1の進め方」そして「人事考課」あたりはかなり参考になった。
例えばコーチングの手法に関して書かれている本、リーダーシップの発揮の仕方に関して書かれている本などは無限にあるが、手法をいくら学んでもそれを組織に展開出来るとは限らない。なんだか氷が溶けて薄まったアイスコーヒーを飲んでいるようなビジネス書や自己啓発書が多い中、本書は組織において「マネージャーの目的をハッキリする」という点で、マネージャー以上の立場に居るのであればずっと使える一冊だと思う。手法に関してはそれからで十分遅くないはずだ。